観客も階段から下の広場までぎっしりと埋め尽くされています。暑い夏の日には夜になってから、夕涼みがてらの舞台観賞は夏の宵の一番の楽しみのようにも思います。
さて、写真の方はと言うとそんなにシャッターチャンスは見当たりません。時間は午後8時前ですが今日の撮影を終わる事にしました。前に行った平塚八幡宮と絵柄神社は明るいうちに灯を付け始めるけれど灯を付ける人の人数が違うので少し薄暗くなって灯りが顔にあたり風情のある写真が数枚撮れました。そんな希望を持っていましたので今日の撮影は少しがっかりと言う気分でした。
始まっている日本舞踊も撮ってみようと階段を数段登ると丁度良いアングルです。明りに照らし出される能舞台は美しく、日本舞踊とマッチして優雅な雰囲気が漂っていました。
係りの人に何時頃、何処からぼんぼりに灯を入れて行くのかを訪ねた所「6時半に一斉に灯を付けていく」との事でした。時間が来て巫女さんたちがほんぼりに灯を付け始めたので巫女さんの顔が見える位置に来てカメラマンや見物人がなるべく入らないように屈んで下から撮りました。まだ日は落ちず明るいだけでなく空が目立ちます。
ほんぼりに挟まれた参道は大勢の人で賑やかですがその周りの夜店は時折やってくるお客はいますが思ったより集まらないのか手持無沙汰な店もあります。ぼんぼりの間に店を入れて撮ると風情がありました。
最近亡くなった地井武男さんのぼんぼりもあって似顔絵もそっくり、にっこりと微笑む表情はろうそくの灯りに照らし出されて見る人の心にいろいろな思いを与えてくれるようでした。
巫女さんが灯を付けるぼんぼりも数本追っていくと大勢の巫女さんたちが手分けして灯を付けているのであっと言う間に明るいうちに全部に灯が灯りました。あたりが暗くなってきてぼんぼりの灯りが目立つ頃には付け終わった巫女さんたちが引き上げていきます。まわりが薄暗くなり、ろうそくの灯りが巫女さんに当たって赤く照らし出される光景を写真にと思っていたのでがっかりしました。
能舞台から拝殿に繋がる階段には早くから舞台で始まる日本舞踊を見ようと座り込んで場所取りをしていました。拝殿と階段のほんほりが明るく浮かび上がっています。