電車に乗って茅ヶ崎の近くに来る頃、街や海辺の方は視界が悪くなって変な空模様でした。次の日、ニュースで濃霧が出ていたと言うことが分かり、濃霧のためかヘリコプターが行方不明とも言っていました。午後4時頃の平塚は土曜日と言うこともあり、人が行き交うのも大変なほどの混みようです。 
去年は行かなかった平塚の七夕祭り、今年は久しぶりに夜の七夕祭りを撮りに出かける事にしました。今日も天気が良く、日中は暑い日射しがさしています。午後、ゆっくりと家を出て平塚に着いたのは4時近くになっていました。
昼はあまり写真にならないのでメイン通りを通り一遍に眺めた後に路地の方にまわり、面白そうな場面はないかとうろうろしています。古びた家の町角で粘ったり、浴衣姿の女の子達、祭りの雰囲気のでている所を探しますがなかなかいいシャッターチャンスにはぶつかりません。祭りの屋台で人気なのは広島のお好み焼きですがここでもやっぱり長蛇の行列ができていて思わず写真を撮ってしまったほどでした。
7月の昼は一番長く、暗くなるのは午後7時過ぎです。夕方に来たと言っても暗くなるにはまだまだ時間があり、本番前の一休みと言うことでコンビニで飲み物を買って近くの公園に来ました。公園も大勢の人が休んでいます。幸い座るところも確保ができて暗くなるまでのゆっくりしたひとときを過ごししています。
午後7時近くなって空もダークブルーに落ちてくる頃、明かりの灯った七夕飾りは昼とは見違えるように薄暮の街に浮かび上がってきて綺麗です。オリンピックの今年は祝・北京五輪の七夕や話題のゴルファー石川 遼選手の七夕など、毎年特選を取っている滝口カバン店は「ぽんぽこたぬきの七夕祭り」と言う七夕飾りで特選になっていました。
今まで、七夕の夜をイメージして七夕の下での子供達の表情や動作、七夕とふれ合う人達などいろいろ撮ってきました。七夕に露出を合わせてストロボで子供達を浮き上がらせたり、スローシャッターにしてカメラをぶらして七夕を流して動きを表したり、それもマンネリ化したので今年はストロボもたかないで撮ってみました。やはり写真になりません。と言うわけで七夕の撮影は早々にやめることにしました。
変わった被写体を探しながらメイン通りや路地通りをぶらぶら歩いています。ここは広場になっていて人々が大勢たむろしています。広場には一杯の七夕が飾ってあり、ちょっと変わった七夕まつりの空間でした。
又、今年もお化け屋敷の前に来ています。お化け屋敷から怖がったり、ほっとしたりして出てくる子供達の表情、動作が魅力的です。同じような場面ですが一昨年は昼の撮影でした。やっぱり、お化け屋敷は夜が似合います。この撮影も大人が先に出てきたり、なかなか思うような場面にはなりません。粘りながら、なんとかそれなりの写真が撮れたかなと言う感じでした。
午後9時も過ぎた頃、又、夕方と同じ公園で一杯飲みながらの一休みをしています。休みながら回りを見渡していると昼では写真にならないのに夜は別世界のように変わってフォトジックになっている所がありました。パラソルの中の光でアベックとパラソルが浮き立っています。こんな所で今日のベストショットが撮れるとは思いませんでした。
公園で一休みと今日、一番気に入った写真も撮れた後にもう一回りして帰ろうとして歩き出しました。見ると飲み屋も屋台も店じまいの支度をしています。もう、そんな時間なんだなあと思いながらメイン通りに来ると七夕の明かりが消えて蛍の光の音楽が流れていました。最後までいたのは初めてなのでなにか妙な雰囲気です。「時間で明かりが消えるんだ」などと改めて思ったりもしました。