今年の梅雨入りは6月14日と気象庁の発表があった翌日からは梅雨が上がったような夏日が続いています。今日もそんな感じの日射しの強い夏日のような天気です。3月に撮影に行った京島で果物屋さんの前で撮らせてもらった卒業記念写真を上げることを目的に今日は又、京島に行くことにしました。
11時半頃に京島に着き、ぶらぶら撮影しながら橘銀座通りの果物屋さんをめざして歩いています。それにしても今日も梅雨だというのに夏日の直射日光が降り注ぎ3月に来たときとは趣が違っていて暖かいのんびりしたイメージがありません。相変わらず古い家が取り壊されて平地になっている所が多く、どんどん変化しているのがわかります。
橘銀座通りに入って右側の果物屋さんを捜しながら歩いていても違う果物屋さんで「あれっ!」と思っていたら次の四つ角の先だったようです。店の前にはおじいさんが店番をしていました。この前は見かけなかったので「今日は」と言いながら店の中を見ると奥の方に人がいて出てきてくれました。あのエプロン姿のご主人さんです。「3月に写真を撮らせてもらった」と言っている間にすぐわかったようで「ああ、この前、写真を撮りに来ていた人」と例のにこやかな笑顔で迎えてくれました。早速、お礼を言いながら四つ切りの額に入れた写真と2Lの写真を取りだして「その時の写真を持ってきました」と言うと「いや〜良く撮れているね、いいんですか?」と嬉しそうでした。住所なども聞かれましたが私は喜んで貰えればいいので「いいです、気を遣わないでください。額も余っていた額ですから」と言いながら記念にしっかり写真を撮らせてもらい早々と店を後にしました。本当に喜んでくれたようで良かったな〜。
まず、今日一番の目的の写真を渡して少し町を撮影していましたがなにせ夏日で太陽は真上です。時間も1時過ぎたので中華やでゆっくり食事してお店を出てもまだ、写真を撮る気にはなりません。さて、これから缶酎ハイを買って公園で一休み、後は夕方の撮影だなと思いながら近くの公園にきました。この公園は藤棚があって日陰で一休みするには申し分ありません。偶然にも人は誰もいなく、2時頃から3時j過ぎまでいましたがその間も2〜3人の人達がベンチに座ったぐらいでのんびりと休むことが出来ました。時折吹く風は爽やかで気持ちのいい午後でした。
3時も過ぎたのでまだ暑いけれどぼちぼち撮影に戻ることにしました。日当たりのいい家の前で一人のおじさんと水が入っている水槽が見えました。水槽に魚でも飼っているのかなと思って近づいて見ましたが魚はいません。なにやら整理するためにいろんな器や水槽も洗うつもりで水を入れているようでした。。その横に花があったりして「今、朝顔が一つ、二つ毎日咲いているんだよ」言っていました。よく見ると今日咲いた朝顔が2つほどしぼんでいます。朝の内は咲いていたがこの時間ではもうしぼんでいました。蕾もまだまだあったのでこれからも楽しめるようです。この朝顔は野生の朝顔で種を拾ってきたとの事、花も小さいと言っていました。そこへ近所のおじさんが洗っている器のことを「そんな物、人に上げたらいいんだ」と言いながら寄って来ると「こんながらくた貰う人はないよ」などと二人の会話は冗談交じりの楽しい会話、さてそろそろ退散ですな。
京島も庭や家の前は花の好きな人が育てていて道行く人達をなごましてくれますがここの家の庭は菜園的でなにやら見慣れない物がありました。棚が作ってあり、その棚に葉の付いたつるが延び、袋がけもしてあります。これは珍しい、葡萄の棚でした。それにしても庭で葡萄を作っている家は京島だけでなく、よその町でも見かけた記憶がありません。
京島にもいわゆるゴミ屋敷と呼ばれているであろう家がありました。家の中はどうなっているか分かりませんが家の回りはがらくたで覆い囲まれています。路地を通ってもそんなに臭いなどは感じられませんでしたがこれから夏になり蚊などが繁殖してくるのではなどと思いながら通行人をからめて写真を撮ったりしましたがあまり写真的にはピンときませんでした。
古い家はどんどん壊されていき、少なくなってきましたがまだまだそれなりに残っているのが京島です。この家もだいぶ古そうで四つ角になっているので電柱には2つのカーブミラーやドラム缶などが家の回りに置いてありフォトジックです。ミラーを2つ入れると白っぽいコンクリートの電柱が目障りで電柱が見えないようにカーブミラーを1つだけにフレーミングして後は主役の登場を待つばかりです。それなりに粘って、まあまあ気に入ったのがこの写真でした。これで今日の一枚は撮れたような気がしました。
駄菓子屋の前で写真を撮っていると中からハンチング帽をかぶり甚平服を着た男の子が出てきたので慌てて写真を撮りました。後から出てきたお母さんが「あっ、内の子撮っているの」と言ったので「ええ、そうです。甚平服を着ていてすごく可愛いから」と言うと「この子、風邪を引いていて39度も熱があり、医者に行ってきたんですよ」と言われ写真どころではなくなりました。「それは大変ですね」と言うと「プールで貰ってきたみたい」と言いながら男の子を自転車に乗せて帰り始めました。写真を一枚撮りながら「お大事に」と声をかけると男の子が振り向きながらにっこりとして「さようなら」と言いました。魅力のある子だっだので思うように写真が撮れず心残りでしたが振り向きながら笑顔で「さようなら」と言った姿はカメラではなく脳の中にしっかり焼き付けました。やっぱり京島はいいな〜、よそでは親が警戒して、いやな雰囲気になるところではないかと思うのですが親も子供も暖かみがあって本当に心温まる町だと思います。
6時頃になると太陽も傾いて斜光が綺麗な時間になってきました。庭や空き地に植えてある花々も逆光を浴びてまばゆいほどに輝いています。花と人との組み合わせもどうかなと思いながら逆光で又、又、主役待ち。乳母車の親子づれが来た、と思いきや別の人達も来て重なってしまって残念、などとなかなか思うようにうまくいきません。その内に曇ってきたので空を見ると太陽は大きな雲に隠れてしまっています。あの雲から太陽が出てきてももう家などの陰になって逆光も使えなくなると判断して今日の撮影を終えたのは6時半も過ぎた頃でした。今日は写真を届けるのが一番の目的だったので3月に来て6月に又来ましたがやはり京島はなぜか2.3月の晴れた暖かい日に来たくなって今までそんな季節に来ています。早く春の暖かい日が来ないかな〜と思っている季節に京島に来ると町も人情もホットなのでもうじき春だな〜と思えて、ぴったりなのかと思います。