今月は春の陽気で暖かく、晴れの日も多く春うららと思いきや肌寒い日は続くし、台風並みの低気圧が来て大荒れの日々もありました。撮影の方も湿りがちで今日は久しぶりの撮影となりました。淺草、銀座、新宿、京島は定期的に撮影に出かける場所としていて今日は京島に出かけることにしました。
京島に着いたのは午前11時半頃でした。いつもは近代的になっている一丁目の曳舟駅近辺にはあまり行かず主に古さが残っている二・三丁目に撮影に行っています。今日は久しぶりに曳舟駅の方から撮影に入りました。今、駅の近くは大がかりな開発が進められていて工事現場には完成予定図が書かれてあり中心部の大きなビルが姿を現していました。
京成押し上げ線脇の空き地にはいつも季節ごとの花が植えられていて今はチュウリップの花が咲いていました。小さい子を連れた家族連れが二組ほどいて子供達は花の回りを走りながら楽しそうに遊んでいます。その後ろには京急の電車が走り、開発中の高いビルも見られ、どんどん変わりゆく京島という印象です。
京島にも昔からの水道ポンプが何カ所にも残っていてこのポンプは現在、水も出るしバケツなども置いてあって使用できるようです。それでも昔ながらの環境に自然に残っている所は少なく、新しい環境に保存の為に残しているという状態の所が多くなっています。
リヤカーに野菜や果物を乗せて売り歩く、懐かしい行商の姿が見られるのもこの京島です。
前にも見かけましたがやはり同じおばさんでした。昔から何十年も行商を続けているので新鮮な野菜や果物を待っている馴染みのお客さんがいて商売になっているのだと思います。今日も午後2時前なのにリヤカーには野菜や果物は残っていませんでした。
遅めの食事も済んで一休みの為、いつもの商店街に近い公園に来ました。商店街は夕方前なのでまだ大勢の人がとは言えませんが早い人は買い物を済ませて家路に着く人達も多く見られました。又、今日は月曜日なので閉まっている店もあり、何回か食事に行っている中華屋さんも休みでした。「申し訳ありません、月曜が定休日なんですよ」と言われ「又、今度寄ります」と言って仕方なく別の食堂で食べたところでした。
一休みも済んで又、ぶらぶらと三丁目の路地を歩いていると細い路地にトラックが止まっていました。取り壊した家の廃材を荷台に目一杯積んでこれから路地を出ようとしていようです。一人は電柱に登り蛍光灯にぶつからないか確認をしたり、一人は廃材の上に乗って荷造りをしたりと出るだけでも大変のようですが路地を通る人も路地ぎりぎりに止まっているトラックの為、困惑気味でした。ここも又、古い家が取り壊されてその内に新しい家が建ち、京島らしさが失われていくと思うと寂しい想いがしました。
京島は来るたびに古い家が無くなり空き地になっていたりするのは珍しいことではなく、規模の大きな開発も進み古い家並みと近代的なマンションなどの対比も当たり前になってきました。そんなことを意識していつも此処に来るとつい人を点景に入れて撮影をしてしまいます。今日も何枚かパチリパチリ、こんな風景もいつまで続くのでしょうか。
又、一丁目の方に戻って来ています。曳舟駅に近い所で数件の店が焼けてそのままになっている現場に出会いました。ここは古い商店と後ろに新しいビルが建ったので去年、対比的に撮ったあの電気屋さんでした。太い通りの方は右に電気屋さん、真ん中が包装、梱包資材の卸店、左角が中華屋さんでした。話しによると路地に入ったところにはゲーム屋さんが続いていて、ゲーム屋さんの営業中に煙草の火が原因で起きた火事と言うことでした。火事は先週の日曜日ということで現場は何も手つかずにそのままになっています。ほそぼそと商売をしていたようなお店は再建もままならずに大変な事だと思うし、火事で古い家並みが消えていくのは本当に寂しく、悲しい思いがします。
京成押上線曳舟駅に近い京島一丁目はより近代化が進んでいてこの辺の住宅はコンクリートになり道路も綺麗になっています。こんなに早く近代化が進み、いつまで京島らしさが残っているのかと思うと今の内に京島に通い、京島らしさと新しい町に変わっていく姿を記録的にも撮影していこうという気持ちがより強くなってきました。この後、午後5時も過ぎた頃に今日の撮影を終わりにしました。