門松もとれて正月気分も明けた頃、今日は晴れてもいるし、そろそろ今年始めての写真撮影をしたいと思いました。さて、何処に行こうかなと撮影地を考えましたが定まりません。とにかく、ウオーミングアップも兼ねて八幡町や中村町あたりの下町散歩と思いつき、昼ご飯も済んだ午後1時頃に家を出ました。

市営地下鉄「板東橋」駅で降りて昔ながらの商店街「横浜橋商店街」に来ました。アーケイドの中は日の丸の旗や謹賀新年の垂れ幕が下がっていてまだまだ正月気分です。夕方にはまだ早いので夕方ほどの人混みではありませんでしたが買い物客は結構来ていました。
商店街や酉の市で有名な大鷲神社のある裏通りなどをぶらぶらしながらの撮影です。ある路地の写真も撮ったことのあるフォトジックな衣服屋さんが見あたらず、その場所は空き地だったり、商店街から抜ける細い路地には子供達が遊んだり買ったりしていた販売機械が今は使われることもなく片隅に並んでいます。昔の名残りの多いこの商店街も時代の変化は確実に押し寄せているみたいです。
「横浜橋商店街」をぬけて中村川の近くには大衆演芸場「三吉演芸」があり、その近くに昔ながらの果物屋さんがあります。店の前の通りまで一杯に果物を並べていて今ではあまり見かけられない光景になっています。
中村川を渡り、中村町に出ました。通りを歩いていると自転車屋さんがあって歩道でお客さんらしき人が立っています。丁度、自転車のパンク修理をしているところでした。店の主人が自転車からチュウブを取り出してパンク修理の最中で、パンクの自転車を持ち込んだお客が修理の終えるのを見ながら待っている様子です。自転車も今ではスーパー内で売っていてこんな昔ながらの光景も珍しくなってきました。
中村町から隣の八幡町に来ました。どちらかと言うと下町風情の店などは八幡町の方が残っています。、それでも閉まっている店も多く、上の写真のようにまとまって3軒シャッターが閉まっていたり時代の流れはどうしようもないようです。しかしながら酒屋さんや米屋さん、食べ物屋さんなど一軒ぐらいずつはまだ昔ながらの店構えで営業していてやはり下町の面影は色濃く残っているのもこの辺ならのことと思います。
少し路地に入ったりして被写体を探していると家の前に椅子を出して日溜まりで日向ぼっこをしている老人を見かけました。「写真を撮らせてください。」と声をかけ2枚ほど撮らせて貰いましたがちょっとびっくりした表情と年も大分とっていたようなので話はしないで立ち去りました。陽も建物の影で足元は陰り始めて日向ぼっこもそろそろお終いの時間のようでした。
まだ八幡町で店の写真を撮っていると帰ってきた店のおばさんが「まあ〜こんな古い店を撮ってくれているの。」とにこにこしながら話しかけてきました。「え〜この辺は下町風情があっていいですね。」と答えると「撮影に来る人も多いんですよ。」と言っていました。「前にテレビドラマで長瀬の「探偵マイクハマ」はこの辺が舞台になっていておでん屋さんも写りましたよね。」と聞くとその店は2軒ほど隣の店でした。気さくにいろいろな話をしながら写真を撮らせてもらったりして久しぶりに下町らしさを堪能させてもらいました。しかし少し前にやはり店を撮っていると日陰で見えなかったのですが中から店のおばさんが出てきて「写真を撮らないで。」とも言われたりして反応の違いに戸惑うところもありました。
その後中村町に戻り、石川町に向かって路地から路地と回っていました。なんと言っても人が居ないなあ〜と言うのが印象です。子供達はもちろんのこと、老人たちも見かけません。でも下町らしい家や路地を見つけてはパチパチとシャッターを切りながらそれなりに撮影することはできました。
中村町から石川町に入ったところでそのまま元町方面には行かず、野毛に行ってみようと思い京急「日の出町」駅近くに来ました。ちょっと距離があったので辺りは薄暗くなりかけています。前方を見るとなにやら交通事故のようです。タクシーとパイクの衝突事故のようでパイクの運転手の姿は見えず救急車で運ばれた後でした。大したことの無い怪我ならいいな〜と思いながら、この後、野毛へと思いましたが大分暗くなってきていたので撮影を諦めて今日は帰ることにしました。ウオーミングアップ的に散歩を兼ねての撮影は久しぶりに気持ちのいい半日でした。