3月に入ってもまだまだ寒く、本当に今年は近年にない寒い日が続いています。そんな中、今日は天気も良くて4月並みの気温になるとのこと。寒い日は出かける気にもなりませんが天気が良くて暖かいとなるとこれは家に居られません、とにかく出かけることにしました。さて何処に行こうかなと考えていましたが、何故かこの時期の暖かい日は街ではなく春を求めてと言う気分になり、三浦半島に行くことにしました。
横浜・横須賀道路を使って武山に出て初めの行き先は三戸浜海岸に向かいました。三戸浜海岸に出る少し前は広々とした畑が続いています。今は三浦大根で有名な大根とキャベツが収穫時期みたいです。畑を見渡しても農家の人は見あたりません。春の花、菜の花はないのかなあと見回しましたがどこにもそれらしき物は見あたりませんでした。
畑から下っていくとすぐに三戸浜海岸に出ます。のんびりとして人影も見られないような静かな海岸が広がり清々しい気持ちです。よく見ると2,3人の人が流れ着いているワカメを棒のような物で拾っています。しかし私が思っている光景とはちょっと違い、漁港の人が杭を打ってロープを張り、そのロープにワカメを干している光景が見あたらないのです。その干場も無くなっていたり、あってもワカメが干して有りません。たしかこの時期にワカメを採ってきて干しているはずで船からワカメを降ろしたりそのワカメをロープに吊す作業などを撮りたいと思っていたのです。ワカメ漁の時期がもう遅かったのか?まだ早いのかちょっとがっかりしました。
海岸でワカメを拾っていた人も近所の人で家で食べるみそ汁用にちょっとワカメを拾いに来た人達でした。海岸や船、漁具などを撮っていると一人の漁師のおじさんがワカメ干場に出てきています。早速、ワカメ漁の時期などを聞きに行きました。話では「今がその時期だがここは次ぐ人が居なかったり、我々もワカメよりサザエ等を採ったり漁具の手入れしている方が割の合わないワカメ漁よりはいい。ワカメ採りは家の分とか人にあげる分位しか採っていない」とのことでした。「別の所ではもちろんワカメ漁をしている」とのこと。しかしこの三戸浜海岸が昔のままで風情があり、そこで作業しているところが絵になったし撮影する意欲も沸いていたので前みたいな光景がこれからも見られないとは非常に寂しい気持ちになりました。それから又、ぶらぶら撮影していると今のおじさんが今度は網の手入れをしています。こんな光景も昔は当たり前で珍しいことではないのですが今はなかなか見かけられません。おじさんの前に猫がのんびりと座っています。こんな光景をまず撮って近づいていき、声をかけ撮らせてもらいました。撮影を快く引き受けてくれ、いろいろ話しながら自然な姿のスナップ写真も撮れて今日はラッキーな日だと思いました。おじさんにその気持ちを伝え別れましたが「又、いつでもおいで」と言われ近年はこんな事はめったになく「何を撮るんだ!」と一括されるご時世、今日は本当に有り難うございました。以前から思っていたのですが三戸浜は人間も自然もあまり変わらず本当に魅力的だなあとつくづく思いました。
三戸浜海岸でコンビニ弁当の昼食をとり三崎に向かいました。途中、子供達が小学生だった頃、夏休みによくキャンプに来た浜諸磯を見たくなり急きょ行くことにしました。ここは岩場になっていて海に入ると少し足が痛いのですがその為、水は綺麗です。又、岩で防波堤のように囲まれた海は穏やかで子供達も安心して泳げました。海辺は芝も生えていて自然を満喫でき、穴場的な場所でそんなに混んでもいなく毎年5〜6日のキャンプに来ていたのです。あれから何年ぐらいになるのかなあ?と考えると25〜6年経っています。しかし、この浜諸磯も昔と変わらずあの頃のままの自然を残していました。懐かしさとともに昔と変わらない自然を堪能して気持ちいい空気感をあじあう事ができました。
帰ろうとして浜諸磯漁港に戻ると一匹の猫が目に入りました。暖かい日射しを浴びてくつろいでいます。ゆっくり近づいていきカメラを向けても逃げる気配はありません。さっきの三戸浜海岸では漁師のおじさんのそばにも猫がいて遠くから撮った後、近くでもおじさんと一緒に撮りたかったのですがテントの影に隠れてしまいました。下から上からいろいろ撮影、逃げるどころか人なつっこく寄ってきます。ワカメが干してあるとなお絵になるのですがのんびりした漁港の雰囲気が十分です。その内に道路に出てきてしまいましたが急に甘えるように腹を向けてごろごろ、ごろごろ。このほうが穏やかな春日和の漁港風景になり、モデルの猫ちゃんに感謝、感謝!
浜諸磯を出て三崎港に来ました。三崎港に突き当たった右側の三崎港市場付近を回り、反対側の三崎町にでました。この辺は昔の三崎港を思い出させる名残が残っていて独特な雰囲気のある町です。土蔵作りの藏もいくつもあり、昔ながらの形をしたお店も残り、かってはマグロ漁港として賑わい、陸に上がった船員達が飲みあさったであろうスナック等がまだ残っていてなかなか面白い町です。又、三崎港らしく大漁旗を作って売っている店もあり個人用に飾る大漁旗も3000円位で売っていました。
三崎町でスナップを撮りもう1ヶ所、松輪漁港に寄りたいと思っていたので早めに三崎町をでました。途中ススキの生い茂る湿地帯がありちょと撮りたかったのですが駐車が出来にくいので松輪漁港に直行しました。あまり人影もなく数人の女の子供達が潮が引いて岩続きになった島で遊んでいました。普段は海水があり海に浮かぶ島のようになっていますが今は歩いて渡れるようです。その近くで割烹着を着たおばさんが二人、潮干狩りをしています。望遠で子供達も撮ったのですがおばさん達の方が絵になります。ここは何回か来ていますがこんな光景は初めてで又、潮干狩りの背景に漁船が写るなどという所はここしかありません。貴重なスナップ写真が撮れました。今日は暖かい春の日射しに誘われて三浦半島に撮影にきましたがのんびりと春日和を満喫しながらそれなりの写真が撮れて満足です。一つ言えば菜の花などをイメージした春の写真もと思っていましたが菜の花は見ることも出来ませんでした。