写友に誘われたベトナム撮影旅行、撮影場所としては興味がありました。海外撮影旅行華やかなこの頃、金もかかるし近郊でも写真は撮れると言うことで今まで一度も海外撮影旅行はしていませんでした。もっとも観光旅行もありません、すなわち初めての海外旅行です。子供は「初めての海外旅行がベトナムか!」と言っていたそうです、しかし写真的魅力は観光地には全然感じられず東南アジアのあまり進化していない昔ながらの生活が色濃く残る姿に写欲が沸いてきます。
14日の午前10時20分頃少し遅れてベトナム航空機で成田を出発してベトナムのホーチミン国際空港に着いたのはベトナム時間で午後2時30分頃(時差が2時間あり、日本時間では午後4時30分頃)でした。ベトナムも日本と同じように縦に細長く気候はホーチミンとハノイでは大分差が有るとのことでした。南部・中部は今、雨期にあたっているとのことでホーチミンに降りるともの凄い蒸し暑さです、雨もぱらつき始めたようで日本の蒸し暑い入梅に輪をかけた蒸し暑さでした。隣り合わせの国内空港で待ち合わせ時間に建物の外に出るとお巡りさんが駐車違反の取り締まりをやっていました。オートバイを指さしていましたが持ち主も気が付いてあわてて戻る様子でした。ホーチミンは国内線に乗り継ぐだけでこれからフエに向かいます。
前日14日は国内線に乗り継ぎフエに来て宿泊のホテルに着いたのはベトナム時間で9時頃になっていました。荷物を部屋に入れる間もなく、そのままホテルのレストランで王宮の民族衣装とかを着せられての食事でした。今日15日は朝8時頃ホテルを出てフーン川からボートクルーズでテイエム・ムー寺へ向かいました。今日も1日雨のようです、傘は持っているのですが簡易な雨合羽を買ってみんな撮影に備えます、ホーチミンのもの凄い蒸し暑さよりはましですがやっぱり蒸し暑い。途中、水上生活をしている部落があり、ここは写真的に魅力があってゆっくり撮りたいなあと思いましたが素通り状態でした。子供達が乗ったボートが沢山見られ一艘はぶつかるほど接近してきてヒヤッとしたほどでした。映像で見たことがある物売りの人達はいませんでした。
テイエム・ムー寺でもそうでしたがここ世界遺産「グエン朝王宮」でも入る前の一般の人達を撮りたくて入って間もなく表に出てきました。フエはオートバイと自転車が多く信号がほとんどないのでパッパとクラクションで注意を呼びかけ強引に右折、左折や割り込みを行っています。見ていると怖いくらいですが適度なスピードとお互いなのか強引に出ると片方が譲ったり減速したりで特別事故もなくスムースに流れています。只、私達観光客は信号がないので途切れることのない流れの中を渡るのが大変です。思い切って半分まで渡り、後の半分はもたもたしていられないので対向車に向かって隙を見て斜めに横切って渡る状態でした。雨にも関わらず大勢の人達がオートバイや自転車で行き交う姿はベトナム人のもの凄いバイタリーを感じました。
グエン朝王宮の後のカイデン帝朝は入るときに周りに魅力的な被写体がなかったので中で雨に煙る遺跡や観光客の記念撮影姿などを撮ったりしていました。いつものことですが遺跡などの由緒ある説明をガイドさんがしてくれるのですが付いて回らず被写体を探してうろうろしています。帰ってきてもあまり詳しいことは何もわからない状態です。
昨日もフエの同じホテルに宿泊し今日16日はダナンに向かいます。朝早く朝食を済ませて出発までホテル前の町の様子を撮影しました。相変わらずオートバイと自転車が朝早くから大勢行き交って渡るのも一苦労です、傘をかぶって民族衣装を着た人が自転車に乗っているのはざらなので流し撮りでぶらして撮ったり被写体が一杯なのであっという間に出発の時間がきた感じでした。今日はいい被写体があったらバスをなるべく止めて撮影をするとの説明があり、たんぼで水牛を使い耕作しているところでバスが止まりました。それぞれ降りて水牛などを撮影していると近所の子供達がどこからともなく集まってきます。皆、人なつっこく笑顔で寄ってきて、写真を撮ってもどんな風に撮れたかカメラを見せてくれと言う感じです。何か貰えたらと思って来るのでしょうが請求するわけではなくお菓子を持っていた人がお菓子をあげたら喜んでいました。一部の国では観光客を見ると「マネーマネー」としつこくせがんで来る光景もテレビで見ましたがこれからこの辺もそんな風にならなければいいなあと思いました。これは難しい問題で観光客(カメラマン)のマナーや常識も原因になるので考えさせられる光景でした。
今日も雨で合羽を着て蒸し暑いのですが雨は降ったりやんだりで昨日よりは撮影しやすく思えます。濃霧で先が見えないようなハイヴァン峠を越えてダナンに着きました。午後2時頃活気溢れるコン市場の撮影です、あいにく雨は降りっぱなしで撮影も一苦労、でも雨とベトナムの雰囲気はぴったり合っているような気もしてきました。品物は溢れるばかりにあります、大きい屋根の市場に入ると中は暗くて撮影も出来ない状態でここは肉が主に置いてありました。又、この肉の臭いが充満していて何とも言いようのない気持ち悪さで表の通りに出てきたほどでした。ベトナムの人はコウモリ傘を差している人はいません、傘と合羽です、荷物を持ったり仕事をしたりするのに合羽が一番便利なのでしょう。日本で雨の日に撮影をしますがコウモリ傘がじゃまして人の表情がみえなくなってしまいます、その点でも写欲が沸いてくる場所でした。
「14日」
「15日」 
「16日」
「18日」
「19日」
昨日はホイアン市内のホテルに泊まりました。ベトナムに来て思ったことはレストランもホテルもどこも照明が暗いのです。又、風呂に入るのにお湯が一定して出てこなく、バスにお湯を出して貯めている内に水になってしまい体を洗っもシャワーが使えない状態です。隙を見て今お湯が出ている内に入ろう!と言う感じで大変苦労しました。どのホテルでも同じなのでこれはエネルギー問題が関係しているのかも知れません。今日は世界遺産「ミーソン遺跡」へ行きます、途中の海辺で漁民達が漁をしていました。早速バスを止めて撮影を始めました、金ダライの中は小魚で一杯です。下の金ダライには大きな魚もいたそうです、ちょっとバスを止めての撮影なので時間が物足りない感じです。しかしこれも普通の旅行だと素通りしてしまうので撮影旅行の良さだと思いました。
世界遺産チャンパ王国の聖地「ミーソン遺跡」に着きました、バスを降りてからが遠いのでジープやワゴン車が用意されていました。中には歩いていく外人の観光客もいましたがジープに乗って遺跡の場所に行っても結構遠いと思ったくらいでした。遺跡の入り口に民族舞踊を踊る建物がありもうすぐ踊りが始まると言うことで建物に入りました、中は薄暗く踊るときは照明をつけるとの事だったのが停電のため照明はなしとの事。初めフラッシュは駄目と言っていましたが交渉してくれてOKとなりました。それでも私は感度を上げてなんとかノーフラッシュで撮りましたが使える物があるか心配でした。踊りが終わり遺跡の方に行くと大きく山のような遺跡がいくつもありました、このような遺跡がこの地域に幾つか点在しているとのこと、その中でここは一番数多く残っているとのことでした。いつの世も権力者の力の誇示はすごい物で目を見張るばかりでした。
「ミーソン遺跡」からホイアン旧市街に戻り船でトウボウ川の水上生活者の撮影ということで船に乗りました。国旗のような旗を立てた割と大きな船が何艘も並んでいます、人影は見られません、時間的に朝ではないので人は出ていないそうです。でも15日に素通りした水上生活者の住む雰囲気とは違い趣が異なります、ちょとがっかりして旧市街の船着き場に戻りました。ここは古い町並みが残る所で今日の最後の撮影地です、船着き場も雰囲気があります。とりあえずは日本橋と名の付く屋根のある橋に集合しました。この橋を渡った中が観光の町になっているようです、説明の後で橋を渡って町に入ると画廊的な店が沢山並んでいて同じような雰囲気で面白くありません、又、すぐに日本橋に戻り船着き場のあった町に出ました。こちらの方が生活感もありいい雰囲気です、写真を撮りながら船着き場に戻ると着いた船から降りる人や荷物、又、その船に乗っていく人や荷物、少し岸を離れた船は人と荷物で満載です。後ろから見ると沢山の荷物で人も立っている状態です、まるまるとふくらんでいてすごく面白い光景、でも悲しいかなもう薄暗くなって写真になりません、もう少し早くここにきていればと思いました。
(晴れ)
(雨)
(雨)
(曇り時々雨)
「17日」
(雨)
ホアインから国内空港で首都ハノイへ午前10時30分頃着きました、ベトナムもハノイまで来るとさすがに雨期も外れ何日ぶりかの晴天が見られ、日本の関東よりは暑いけれど久しぶりに気持ちのいい日を迎えました。途中、昼食をとりホアビン省少数民族「ムオン族」の村に着いたのは午後3時ごろでした。なにやら人の声やバスをたたく音がして目を覚ますと村の女性達がバスに群がっています。「マイ・ホーム」「マイ・ホーム」と叫んでいて、ちょっと怖いくらいです。バスで説明を聞けばカメラマンに家に来てくれと言っているのだそうでその時は2ドル位を払ってくれと言われました。さあバスを降りると大変です、私達に群がって「マイ・ホーム」「マイ・ホーム」と言って取り囲みながらながら付いて来ます、村を撮るような状態ではありません、彼女達にしてみれば私達が来てくれるかくれないかで大きな違いになるから必死なのです。私達もちょっと怖さも感じ何人かで一緒の家に行くことにしました。モデル的にいいおばあさんを見つけて家に行くと家の中はほとんど何もなく真っ暗です、窓のそばに座って貰ったりして4人ほどでいろいろ撮影しました。女の子も居たので一緒になって貰ったりして撮影も終わり2ドル払うと身振りで駄目と言い「10ドル」「10ドル」と言っています、私達も駄目駄目と言っていてもしつこいので一人1ドルづつにして4ドル渡しました、後で人に聞くとやはり4人で行って2ドル渡し何も言われなかったと言う人もいました。外に出てもほかの村人に「マイ・ホーム」「マイ・ホーム」と囲まれて写真を撮るどころではありません。集合時間までもあまりないのでバスに戻ることにしました、その間も女の子が手編みのスカーフなどを「5万ドン」「5万ドン」と言いながら付いてきます、なんともすさまじいかぎりで閉口するぐらいでした。なんだか写真を撮ったのやら撮らされたのやら訳が分からないというのが率直な感想でした。(1ドル=15000ドン位)
(晴れ)
あわただしかった「ムオン族」の撮影を終えハノイ空港に戻る途中にパーコー市場がありここでしばらく写真撮影です。今日は天気も良く写真も撮りやすくいろいろ珍しい光景を目にしながら撮影しています。大きな鯉をその場でさばいていたり自分達が育てた野菜、果物など昔ながらの朝市的な市場です。写友が犬の肉が売られていると言うことで見に行くと骨に肉の付いた犬の頭があったり、足首もそのまま並べてあったり見ただけで犬の肉だとわかりました。ベトナムでは犬は食用になっていると聞いていたので驚きませんが女性の人は信じていないような人もいました。なかなか写真的にシャッターチャンスのいい写真を撮るのは難しい物の写欲の沸いてくる市場でありました。
14日からの主催者、添乗員も含め31名のベトナム撮影旅行もあっという間に終わってしまいました。昨日18日はパーコー市場から薄闇の棚田を眺めてレストランで生演奏付きの食事をし、お土産店でベトナムのお金「ドン」を使い切ってハノイから飛び立ったのは12時過ぎでした。機内で映画を見たりしているしてそろそろ仮眠しようかなと思った頃には今まで暗くなっていた機内の電気がつきだして起きる時間になっていました。その内モーニングサービスが始まり少し経つとしらじらと東の空が明るくなってきました、ベトナムを12時過ぎに出ても日本時間では午前2時過ぎです、映画を見たり食事をしたりしていると日本時間では5時過ぎになっていたのです。ちょうど窓際に座っていたのでしらみ始めた東の空が真っ赤に染まり本当に綺麗です、最近は早く起きたりしていないので日の出を見るのが久しぶりでした。今回のベトナム撮影旅行は想像通り魅力のある被写体が多く満足のいく旅行でしたが今度は個人でフエあたりに2.3日留まりじっくり町の光景を撮りに行きたいなあと思ったりもしました。関係者の方々、写友、又旅行で親しくなった人達いろいろお世話になりました、皆さんも楽しい撮影旅行になったことと思います。